槻欅

私について、色々と。

初めての、いつもの春

 今年もまた、心晴れない春が訪れた。一年間、一般やAO、編入と可能な限りのあらゆる手段を尽くしたが、惨敗である。まさか落ちるものかとも言えるほどに譲歩して出願した国立前期も、やはり、あっさりと落ちてしまった。前年度の倍率が1.7倍であったのに対し、今年度のそれは4.4倍である。勘弁して欲しい。だが、なんにせよ、成績開示を通じて真相究明し、次なる闘いへと繋げていかなくてはならない。

 さて、昨今のコロナ禍のもと、外出は制限され、大学の講義は延期、変更され、到底春を感じることなどない。日夜自宅に引きこもり、たまに外出すれば目に見えぬウイルスに怯える、そんな憂鬱な日々が続いている。しかし、これにはお構い無しに新年度が始まり、来年度入試への本格的な闘いは幕開けしてしまった。

 前々から表明していたことだが、今年は編入試験を主とした新しい闘いを展開していくつもりだ。この春から、ECC編入学院という編入予備校に通うことも正式に決定し、ただいま手続き中である。編入試験は国立大学合格への最終局面だ。何としてでも成功させなければならない。その危機感、当事者意識を最後まで持ち続けるため、本来であれば親の援助も約束されていたが、敢えて費用の全てを自己負担とさせて頂いた。勝てばありとあらゆるものを取り返し、負ければ私自身が大損するのだ。その覚悟で、最後の試験まで闘い抜いていく所存である。

 病に怯え、一歩も外に踏み出さない日が続くが、桜は満開の頃合だろう。しかし、桜なんて気にしていられないほど、世の中も私も先の見えない日々に恐怖し、焦り、疲労困憊している。いつになったら、心の平安は訪れるのだろうか。

 またしても、桜は散った。そんないつもの春だが、同時にこれまでとは全く異なることを始める、初めての春だ。